知⼈からの紹介がきっかけでした。そのとき初めてcomuoonに触れ、「こんなに素晴らしいものがあるんだ」と驚きました。2012年にスーパーGTのチャンピオンを獲得してから、「⼈のために何ができるのか」をずっと考えていました。comuoonと出会ったことで、その答えがようやく⾒つかったような気がしたんです。NPOでの活動を始めた頃は、まだまだcomuoon⾃体のメディア露出がなかったり、知名度が低かったこともあり、企業や病院を訪問しても相⼿にしてもらえませんでした。意地悪な質問をされて、悔しい思いをしたこともありました。でも、comuoonで初めて聴こえたときの⼦どもたちの笑顔や、「これで勉強を頑張れる」といった喜びの声、そしてそれを⾒て涙ぐまれているご両親の姿を⾒るたびに、「もっと本気で広めていかなければ」という想いにさせられました。そのときの熱い気持ちをメンバー全員がモチベーションに変えることができたからこそ、comuoonをここまで世の中に広めることができたのではないかと感じています。

もっともっと英語を好きになってほしいですね。私はレース参戦のために1年の半分を海外で過ごしていますが、モータースポーツの世界では英語でのコミュニケーションが⽋かせません。これは英語に苦⼿意識のある健聴者の⽅にも⾔えることですが、⾔葉がしっかりと聴き取れないという気持ちがあると、話しかけられること⾃体を拒否して、コミュニケーションを⾃ら断ってしまう傾向にあると思います。私も最初はそうでした。しかし、積極的にコミュニケーションをとるようにすることで、⾃分の世界が広がったんですよね。だから、聴こえに悩んでいる⼦どもたちにも、⼦⾳が聴き取りにくいからといって英語から逃げ出してほしくはないんです。叶えたいと思っている夢や将来やりたいと思っている仕事を、絶対にあきらめてほしくない。comuoonを使うことで英語を好きになってほしいですし、世界中の⼈たちと気軽にコミュニケーションが取れるようになってくれたら嬉しいですね。comuoonで、夢や将来の可能性をどんどん広げてもらいたいです。

誰もが使うモノの中に、もっとcomuoonの技術が活⽤されるようになってほしいですね。例えば、災害情報が流れる街のスピーカーや、信号が⻘になる⾳、電⾞の⾛⾏をアナウンスする駅の中にも必要です。私たちがあたり前に思っていることでも、聴こえに悩む⽅々にとっては⼤変な思いをされているということがたくさんあります。そういう皆さんの暮らしのすみずみにまでcomuoonの技術が活かされ、社会になくてはならないインフラのような存在になれたらベストですよね。世界中のどこへ⾏っても聴こえやすい環境が構築されているという時代がきっと来るはずです。その未来に向かって、comuoonもどんどんアップグレードしていってほしいです。

SNSやブログでも情報を発信していますが、テレビで⼤きく取り上げられて以降、comuoonの知名度は劇的にアップしました。企業からの問い合わせも増えています。私はレーシングドライバーとして、エンジン⾳でマシンの調⼦を聴き分けたり、普段から⾳の中で⽣きている⼈間なので、誰よりも“⾳”の⼤切さを知っているつもりです。その経験と⾃信を、さらに聴こえの親善⼤使の活動に活かしていけたらと思っています。そして、聴こえの悩みを抱えている⽅々がどういう問題と向き合っているのかを、ひとりでも多くの健聴者の⽅々に知ってもらうことも使命だと思っています。「聴こえ」に対する理解が深まれば、聴こえに悩む⼦どもたちの夢が、もっと叶えられる世の中にきっとなるはずです。最近は寄贈先の学校の⼦どもたちからお⼿紙をいただくことも多く、本来は⼦どもたちに勇気や希望を提供するために⾏っていることなのに、逆に私たちの⽅がパワーをもらっているようで。それが活動の励みにもなっています。これからも多くの⽅々の協⼒を得ながら、comuoonを通じた聴こえ⽀援の普及のために全⼒で活動を続けていく覚悟です。温かく⾒守っていただけたら嬉しいです。