介護保険の認定調査で
comuoonを活用し
正確な調査を実践する
熊本県のほぼ中央にある宇城市は、山と海に囲まれた自然豊かな街。
熊本市中心部から南15㎞の場所が中心市街地で、ベッドタウンとしての機能も併せ持ちます。
身近な自然と生活の利便性。バランスのとれた〝ちょうど良い暮らし〟が魅力の宇城市で、介護保険認定調査の現場に2019年7月、10台のcomuoonが導入されました。
介護保険の認定調査で
comuoonを活用し
正確な調査を実践する
熊本県のほぼ中央にある宇城市は、山と海に囲まれた自然豊かな街。
熊本市中心部から南15㎞の場所が中心市街地で、ベッドタウンとしての機能も併せ持ちます。
身近な自然と生活の利便性。バランスのとれた〝ちょうど良い暮らし〟が魅力の宇城市で、介護保険認定調査の現場に2019年7月、10台のcomuoonが導入されました。
熊本県のほぼ中央にある宇城市は、山と海に囲まれた自然豊かな街。
熊本市中心部から南15㎞の場所が中心市街地で、ベッドタウンとしての機能も併せ持ちます。
身近な自然と生活の利便性。バランスのとれた〝ちょうど良い暮らし〟が魅力の宇城市で、介護保険認定調査の現場に2019年7月、10台のcomuoonが導入されました。
大保 五月さま
宮崎県日之影町出身、結婚後、夫の故郷である熊本県に転居。特別養護老人ホームで介護職として10年勤務。宇城市の認定調査員になって6年目。
清村 恵美さま
熊本県美里町出身。福岡県内の訪問介護事業所や居宅介護支援事業所で、介護職に従事。夫と故郷へUターンした後、宇城市の認定調査員になって5年目。
導入前
認定調査時、スムーズなやりとりができなかった
大きな声で質問するため、調査員の負担が大きかった。あいまいな回答をする申請者も多く、適切な介護認定をする上で懸念要因になっていた。
導入後
やりとりが円滑になり、調査時間が
短縮した
大きな声で何度も説明や質問をする必要がなくなったため、業務効率が上がり、調査員の負担が大幅に軽減した。
──comuoonをどのように使っていらっしゃいますか
大保: 勤務時間は朝9時から夕方4時までです。本庁に勤務する私たちは毎朝、自分専用のcomuoon を持って認定調査に出かけます。外観も可愛く、気に入っています。8名の調査員にはそれぞれ担当エリアがあり、午前中に2件訪問します。調査が終わったら帰庁し、午後はPC入力など事務処理を行います。
清村: 1日に訪問2件とはいえ、認定調査員はなかなか神経を使う仕事です。初めて伺うお宅へ自分で車を運転して向かい、初対面の当事者やご家族にお会いして、調査項目に漏れが無いよう確実に調査します。特に、新規の申請時は気を遣います。中には、介護保険の申請自体に抵抗を感じている方も少なくありません。ご家族との間に微妙な空気が流れている家庭もあります。このような中で、一つひとつ丁寧に質問しながら、調査を進めていくのです。
大保: 以前は〝聴こえにくさ〟のため何度も聞き返され、私たちも耳元で大きな声で説明したり、質問したりするのが常でした。会話がスムーズにいかないので調査に時間がかかり、終わった頃にはのども枯れ、すっかり疲れ果てていました。
清村: ご本人も何度も聞き返すうちに面倒になって、聴こえていないのに適当に答えられることも……。しかし、聴こえていないだけなのか、本当に認知症状なのか、私たちには判断できません。正直なところ、実態に即した適正な調査ができているのかどうか、不安を感じる時もありました。
──comuoon導入後はどのような変化がありましたか
大保: comuoonを使い始めてからは、聞き返されたり、私が聞き直すことも減り、やりとりがとてもスムーズになりました。重度難聴の方には、ご家族や施設の方にcomuoonを持って耳元に近づけもらい使っています。モバイルタイプなので場所を選ばず使いやすいですね。
今は最初からcomuoonをセッティングして調査を始めています。「これ何ね?」と尋ねられ、「声が聴き取りやすくなるスピーカーです」と答えると、「そげんとは使わんでよか」と言う方も中にはいらっしゃいます。もちろん、その時はさり気なく引っ込めますが、実はご家族の方から聴き取りをする際に、comuoonが役立つ機会も増えています。
清村: 以前、耳元に近づいて大きな声で話しかけていた頃は、相手の表情がわからなかったのですが、今は、ふつうの距離で表情を読み取りながらcomuoonを使って会話できるので、コミュニケーションが深まり、心を開いてもらいやすくなりました。
大保: やはり聴こえると嬉しいのでしょう、皆さん饒舌になり、笑顔も増えます。それが以前と大きく変わった点です。私たちも声を張り上げる必要がなくなったので声も枯れないし、のども痛みません。気分的にずっと楽になりました。
清村: 調査員の中には、当初comuoonを使うのを面倒と感じる人もいたようですが、今では全員、使うのがあたりまえになっています。使った方がどれだけ仕事が楽になるか、それぞれ実感したのでしょうね。
──comuoonは、今後どのように広がっていくと感じられますか
大保: 熊本市のベッドタウンとはいえ、宇城市の総人口も年々減少傾向にあります。2015年に31.4%であった高齢化率(総人口に占める65 歳以上の割合)も、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる2025年には36.0%と、市民の3人に1 人が高齢者になる見通しです。これに伴って認知症高齢者が増加し、介護サービスの需要はふくらみ続けます。現在は調査の約3割が新規の申請ですが、この割合も大きくなるでしょうね。
こうした背景を考えると、認定調査でいかに心のこもったコミュニケーションを円滑に行うか、その調査結果からどれだけ適正な介護認定を行っていくかが重要になります。導入からまだ半年足らずですが、comuoonがどれほど頼もしい存在であるか、強く実感しています。今では私たち宇城市の介護認定調査員にとって、comuoonはスムーズな認定調査に欠かせない必携ツールになっています。
清村: 施設や病院で介護認定の更新調査をする際によく、スタッフの方から「コレいいですね」「どこで手に入るんですか」と尋ねられます。高齢者とのコミュニケーションの難しさを日々実感している方々なので、comuoonは非常に興味深い存在のようです。
〝聴こえにくさ〟は、高齢者ご本人にとっては切実な問題です。聴こえにくいために的確な回答ができなくても、(私は認知症じゃない、わかって!)と声にならない声を感じることも。これは、ご家族にはなかなか理解してもらえない歯がゆさかもしれません。
大保: 〝聴こえにくさ〟と認知症は別問題、という事実をcomuoonが証明する場面が増えれば、多くの高齢者が自信や希望を取り戻し、結果的に介護保険のより適正な運用につながるのではないかと期待しています。
宇城市も高齢者の独居所帯が多く、私たちは調査員である前に〝話し相手〟です。ほとんどの高齢者の方は、どうしても考え方や発する言葉が後ろ向きになりがち。それでも、comuoonでスムーズな会話をするうちに、次第に前向きな言葉に変わっていきます。帰り際に「今日はおしゃべりできて楽しかった。また来てね」と言われると、何とも言えないじんわりとした嬉しさを感じます。
清村: 〝聴こえにくさ〟に起因するコミュニケーション不足は、家族からの孤立を生み、外に出る意欲を失わせ、正しい介護認定調査の妨げになります。幸いにも私たちはcomuoonのおかげで、いつでもどこでも円滑なコミュニケーションを実現できています。
今後は施設や病院を含め、あらゆる場面でcomuoonを使った適切なコミュニケーションが実現するといいですね。もちろん全国の自治体で、介護認定調査にcomuoonが活用される時代が一日も早く訪れることを祈っています。
宇城市役所様WEBサイト
※取材内容は2019年12月時点のものです。