聴こえにくさの壁をなくし
心の距離を縮めてくれた
comuoon
社会福祉法人ひまわり会・永寿園さまは、宮崎県北部において40年以上にわたり、高齢者福祉・障がい者福祉に取り組んで来られました。介護現場で顕在化していた〝聴こえにくさ〟という課題に対して、宮﨑県の介護ロボット導入支援事業を活用して8台のcomuoonを導入。さまざまな場面でコミュニケーションの改善例を体現されています。
聴こえにくさの壁をなくし
心の距離を縮めてくれた
comuoon
社会福祉法人ひまわり会・永寿園さまは、宮崎県北部において40年以上にわたり、高齢者福祉・障がい者福祉に取り組んで来られました。介護現場で顕在化していた〝聴こえにくさ〟という課題に対して、宮﨑県の介護ロボット導入支援事業を活用して8台のcomuoonを導入。さまざまな場面でコミュニケーションの改善例を体現されています。
社会福祉法人ひまわり会・永寿園さまは、宮崎県北部において40年以上にわたり、高齢者福祉・障がい者福祉に取り組んで来られました。介護現場で顕在化していた〝聴こえにくさ〟という課題に対して、宮﨑県の介護ロボット導入支援事業を活用して8台のcomuoonを導入。さまざまな場面でコミュニケーションの改善例を体現されています。
永寿園介護支援センター 管理者 兼 主任ケアマネジャー
黒田 文代さま
永寿園デイサービスセンター 主任介護職員
菊池 靖子さま
導入前
ケアマネジャー/自宅への定期訪問や担当者会議時に、聴こえにくい利用者さまや高齢のご家族とのやり取りに苦労していた。
デイサービススタッフ/レクリエーションや体操などアクティビティの際に、声を張り上げ、くり返し言葉がけをしなければならず、スタッフの疲労感が大きかった。
導入後
ケアマネジャー/利用者さまやご家族とのやり取りが格段にスムーズになって、正確に情報共有ができるようになり、面談時間が短縮でき、業務効率が向上した。
デイサービススタッフ/通常の声で十分に届くのでコミュニケーションがスムーズになり、利用者さまの笑顔が増えた。同時に、スタッフの負担も大きく軽減した。
──comuoonをどのような場面で、どのようにお使いですか
黒田: 私はケアマネジャーで、利用者さまのご自宅を訪問して行うモニタリングや、各事業者間で利用する介護サービス情報を共有するための担当者会議の際に使っています。
現在4人のケアマネジャーで約120名の利用者さまを担当していますが、支援センターに設置されたcomuoonは1台ですので、事前に訪問予定を確認し、聴こえにくさの程度に応じて優先度を考え、交替で利用しています。
菊池: デイサービスでは、朝の会や体操、ゲームなどのアクティビティ、帰りの会など、多人数の利用者さまへのお声がけが必要な場面で使っています。
機能訓練の際に、個別の利用者さまに対して使うこともあります。充電式でコードがないので、好きな場所にすぐ設置できてとても便利ですね。必要に応じて、聴こえにくそうな利用者さまの方向にサッと向けられるので、使い勝手がとても良いです。
黒田: 私たちは持ち出してさまざまなご自宅で使うので、電源を気にせず使えるモバイルタイプはとても重宝しています。
comuoonを市販のビデオカメラケースに入れて、持ち運んでいます。
たまごみたいな柔らかな印象の外観は、利用者さまやご家族にとっても違和感がないようで、お伺いしてバッグから資料を取り出すと同時にcomuoonをセッティングして、面談を始める流れです。
──使ってみた印象や、何か感じられたことはありますか
黒田: comuoonを知ったきっかけは、私が福祉用具会社の担当の方から「こういうものがありますよ」と紹介されたことでした。
大きな音ではなく伝わる音、耳ではなく脳に働きかける音というのは、まったく知らない情報でした。
実際にcomuoonを使って声が聴こえ、喜んでいる様子の動画を見て、「これはすごい!」と思いました。
さっそく上司に相談してデイサービスで試してみたところ、うなずいたり、目を開けて耳を傾けてくださったり、利用者さまの反応がそれまでとまったく違う。会話が成立するのでコミュニケーションが楽になったと言うスタッフの感想を聞いて、上司が思いきって8台購入し、グループ内の特別養護老人ホームやデイサービス、そして私たちがいる居宅介護支援センターにも設置していただきました。
菊池: マスクをしていても、きちんと声が届いている、聴こえていることに驚きました。
これまでマスクをする冬場はやり取りがしづらくて困っていましたが、今は新型コロナウイルスの感染拡大予防で常にマスクをつけます。
ソーシャルディスタンスを保ち、アクリルパネルを設置するなど、ますます声が聴きとりにくい環境です。
それでもcomuoonを使えばちゃんと声が届き、会話ができる。
これは私たち現場のスタッフにとって、とてもありがたいことです。
スムーズに会話ができるので、いろんな場面で時間が短縮でき、業務効率は上がりました。以前に比べて、疲れかたがまったく違います。
黒田: 私もこれまで何度も話をくり返したり、筆談をしたり、1軒当たりの訪問にずいぶん時間がかかっていました。
聴こえにくさはご本人だけではなく、配偶者などご高齢のご家族も同じというケースが多いのです。
comuoonを使うようになってから、伝えなければならない情報がちゃんと伝わるので面談時間が短縮でき、それ以外の会話でコミュニケーションを深められるようになりました。
菊池: 私たちの声がよく聴こえるので、利用者さまもよく話をしてくださいます。
そんな会話を通して、利用者さまの思いを深く知ることができて本当に良かった。
体操やゲームなどへの参加意欲もまったく違ってきて、私たちと利用者さまの心の距離が、ずいぶん縮まったと感じます。
──comuoon導入を検討されている方に向けて、メッセージをいただけますか
黒田: comuoonの使用で、見違えるように笑顔が増えた利用者さまを見るうちに、呼びかけに対する反応の鈍さや、会話がちぐはぐになることで〝認知機能が低下している〟と誤った判断をされている方が少なくないのではないか、と思うようになりました。
comuoonを使うと多くの方が明確な反応を示し、受け答えがスムーズになります。
聞くところによれば、実際に〝認知機能は低下していない〟と判断された事例も多いのだとか。
利用者さま、ご家族、私たち事業者間で、正確な状況に基づいた適切な介護プランを立てる上でも、聴こえにくさを改善するcomuoonの活用は、とても意義深いと思います。
菊池: 感染予防のため、多くの施設で面会や訪問など外部との接触が厳しく制限されている現状は、利用者さまにとって刺激が減り、認知機能の低下につながりかねないリスクをはらんでいます。
しかし、聴こえやすくなって周囲とのコミュニケーションが活性化すれば、利用者さまのQOLは向上する。
comuoonの導入で笑顔が増え、スタッフが生き生きと働く姿は、何物にも代えがたい喜びです。
黒田: 聴こえにくさを理由に、ご家族の都合や事業者の先入観で介護計画がプランニングされては本末転倒です。
利用者さまご自身の意思のもと、家族とケアマネが相談し、各事業者と連携しながら、よりよい介護環境を整える。
〝聴こえ〟は、当事者の尊厳を守る上で重要な要因です。
菊池: comuoonのおかげで、会話の大切さについて改めて考えさせられました。
今は利用するスタッフが限られ、まだ利用していないスタッフも多いので、いろいろなシーンで誰もが活用できるよう、もっと積極的にアピールします。
多くの介護事業者がcomuoonを積極的に活用すれば、世の中は今よりもっと優しくなれるはずです。
※取材内容は2020年8月時点のものです
全国に先駆けて、介護ロボット導入支援事業を活用して、comuoonを導入いただいた永寿園様。印象的だったのは、これまでは声掛けに頷いてくれるかどうだった方の反応が、「顔を向けて言葉で返してくれるようになった」という方もいらっしゃるようで、意欲や集中力もアップしたとのこと。「コミュニケーションの質の変化」や「ケアマネさんのモチベーションの変化」についても教えて頂き、伝わる・聞こえるという事の本質と大切さを改めて感じる事ができ、とても感動しました。感染対策下においても、マスク着用でもスムーズに会話ができ、時間が短縮でき業務効率が上がったことだけでなく、疲れ方も全然違う!ということもお聞きしました。介護ロボット導入支援事業の助成金制度のご活用は徐々に増えてきていますが、全国の介護従事者の皆様にもっと知って頂ける様に努めていきたいと思います。
永寿園様WEBサイト