CASE03
「効果はてき面、とにかく会話がスムーズになった」
comuoonを活用されている事例をご紹介します。
ほとんど違和感はない。
Q. comuoonに興味を持たれた理由は?
私たちのクリニックは地域に根ざした診療所ですので、やはり中高年の方たちが多く受診されています。ですので、普段から聴力の弱った方たちと接する機会が結構あったんですね。内科医ですので、まずは患者さまの症状を聞くことから始めるわけなんですが、質問が聴こえにくいので、一つひとつの問いかけに「え?」となって、コミュニケーションが滞ってしまうんです。それには、大声で何度も同じことを伝えるしか術がありませんでした。極端な場合は、筆談みたいな感じになることもありました。そんなとき、たまたまテレビ番組でcomuoonが取り上げられているのを観たんです。そのときに、耳が遠くて苦労している患者さまたちの顔が思い浮かびまして。これなら患者さま、それから診療を行う上で私たち医師側が感じていた課題を解決できるんじゃないかと思い、導入を検討したんです。
Q. 実際に使ってみてどのような変化がありましたか?
効果はてき面でしたね。とにかく会話がスムーズになったんです。最初はマイクに向かって話すので、患者さまが違和感を感じるのではないかと心配していたのですが、マイクも細くて存在を感じさせませんし、対面のように話せる位置に置けばほとんど違和感はありません。いまは主に受付にcomuoonを設置して活用しています。患者さまが来院されて、最初に聴こえの問題が発生するのはやはり受付業務なんですね。ここでコミュニケーションがうまくいかないという印象を与えてしまうと、その患者さまにとって敷居の高い場所になってしまいますから。それに受付というのは、お金のやりとりはもちろん、いろいろな薬の説明であったり、検査に関する注意事項をお伝えする場でもあるので、大切なお話をする機会が意外と多いんですね。ですから、当クリニックでは受付でのコミュニケーションに欠かせないツールとなっています。導入後はやりとりにかかる時間も、以前の半分くらいになっているかと思います。もちろん、聴こえにくい患者さまを診療するときには、comuoonを診察室へと移動させて使っています。印象的だったのは、通院歴の長い患者さまから「先生の言ってることがすごくわかりやすくなった」と言われたことです。それまで、実は私の説明がわかりにくいと感じていたらしいんですね。それが「聴こえればよくわかった」とおっしゃっていただけて。口に出しては言わないけれど、同じように感じさせてしまっていたケースが実はたくさんあったんじゃないかと、導入してみて初めて気づかされましたね。
Q. 聴こえのハンディキャップについてどのようにお考えですか?
例えば、目が見えにくかったら眼鏡をかけないとそれを解決できないですよね。しかし、聴こえにくいという症状に対しては、テレビやラジオであればボリュームを上げることで自己調整が可能ですし、人と会話をしないようにすることで表面上支障をきたさないように生活することもできてしまうんです。そういう意味で、実は聴こえにくいという問題を、ご自身の中で強く認識していない方も多いんですよね。そういう方も、comuoonで実際に話をしてみると「こんなにもちゃんと聴こえるんだ」「こうすればもっと普通に話せたんだ」というように気づきを与えることができると思うんです。聴こえの問題を抱えている患者さまはもちろんですが、それを自己認識していない方にとっても、comuoonはとても重要なツールになるのではないかと感じています。
Q. 導入を検討されている方にメッセージをお願いします。
医師も言うなればコミュニケーションの仕事ですよね。対話がうまく進まないことには、正しい診療にはなりません。ですから、コミュニケーションのサポートツールというのは非常に大切だと思っています。comuoon のようなシステムというのはこれまでなかった全く新しい視点でのサポートですから、非常に価値があるものだと感じています。それに医療現場というのは、耳の遠い方たちが一番訪れる場所ですよね。高齢化社会が進む中で、医療現場は当然聴こえのハンディキャップに応えていかなければなりません。さらに言えば、医療と言ってもクリニックや病院だけじゃなく、薬局もそうですし、いろいろな生活の場面で関わってくる分野ですから、こういったツールが1ヶ所だけあればいいってわけではなく、トータルにサポートしてあげる必要がありますよね。まずは医療現場から、ひいては社会全体でやさしい環境になるようにしていかないといけないんじゃないかと感じています。その一歩としてまずは自分たちから、そう思っています。
のむらクリニックスクエア様WEBサイト
※取材内容は2015年5月時点のものです。