CASE21
日々の診察だけでなく、認知症の検査において
積極的にcomuoonを活用されている事例をご紹介します。
説明せざるを得ない状況が多かった。
・高い効果を実感し、現在2台のcomuoonを本格的に導入。
・認知症検査の際に使用
(質問や指示が聴こえていなくても、聴こえているふりをしていた事実がわかった)
患者さんの意思を確認しながら診察を進めることが可能になった。
Q. comuoonを導入して、どのような変化がありましたか?
当院に来られる方はご高齢の方の割合が非常に高く、必然的に聴こえにくい患者さまもたくさん来院されます。そのような患者さまの診察では、何かお話ししても聴き返されることが多いので、大きな声で何度も話すことになり、とても時間がかかっていました。ですので、comuoonの導入前は患者さまのお子さまや配偶者の方など、ご家族の中で聴こえの良い方と一緒に来院していただき、その方に対してお話をしていましたね。comuoonを導入してからは、大声で何度も話していたことが1度話すだけで伝わるので、本当に患者さまとのコミュニケーションが取りやすくなったと思います。以前は私の話も半分くらいしか聴こえていなかったようですが、今はしっかりと聴こえているそうです。患者さまと直接話すことができるので、細かいニュアンスが伝わるようになりましたし、何よりご本人の意思を確認しながら診療を進めることができます。
Q. 診察以外ではどのようにcomuoonを活用していますか?
認知症検査でもcomuoonを利用しています。認知症の検査は基本的に会話形式で行うため、聴こえにくい方はそれだけでハンデを負ってしまうんです。実際、患者さまの中にはcomuoonの導入後に検査の点数が上がったという方もいらっしゃいました。そういう方は、今まで検査の質問や指示が聴こえていない場合でも、聴き返すことを面倒に感じて、聴こえているふりをして答えていたんです。聴こえないことに慣れてしまっていて、それがあたり前だと思っていたんですね。しかし、そういった方でもcomuoonを使用することで質問や指示がしっかりと聴こえるようになり、検査の点数も改善されていきます。それに、聴こえるようになることで理解力も上がっていくように感じますね。これまでは音としては聴こえていても、何を言っているのか内容までは理解できていなかったのかもしれません。
Q. 聴こえと認知症の関係についてどう思われますか?
認知症になりやすい人のリスクファクターとして、「一人暮らし」ということが挙げられます。ただ、難聴によってご家族との会話が減るなど、一人暮らしと同じような状況になってしまうと認知症のリスクは同じように高まってしまいます。逆に、家族の団らんに参加して、みんなと会話しながら暮らすことで脳は活性化し、認知症の進行を遅らせることができると考えられています。だからこそcomuoonで聴こえを改善することができれば、認知症の進行予防につながると思います。デイサービスでも、何を話しているかわからなくてみんなの輪に入れない方や、認知症を予防するプログラムに参加できない方がいらっしゃるという話をよく耳にします。comuoonがもっといろいろな場所で利用されていけば、社会全体での認知症予防にもつながるのではないかと思いますね。
今後導入を検討している方にメッセージをお願いします。
補聴器は1人につき1台必要ですが、comuoonは1台あれば大勢の聴こえにくい方に活用していただくことができます。しかも、補聴器の場合は電話の音や人の足音など、声以外の音も大きく聴こえてしまうのですが、comuoonは私の声だけを大きくしてくれます。補聴器を付けている人にとって、声以外の音も大きく聴こえる状態というのはとてもストレスを感じるようです。また、診察もスムーズに行えるため、患者さまだけでなく私たち医師のストレス軽減という意味でもすごく有効な機器だと思いますね。それに、これまで黙っていた方が、実はたくさん話してくださる方だった、と気づいたこともあったんです。そのように、患者さまの新しい一面を見ることができたこともうれしい変化のひとつですね。今は診察と検査で2台のcomuoonを使用していますが、受付窓口にも導入しようか検討中です。窓口でも患者さまとのやりとりはあるので、さらにコミュニケーションの取りやすいクリニックになればと思っています。
くるみクリニック様WEBサイト※取材内容は2017年5月時点のものです。