CASE05
comuoonを導入した大本山圓福寺の小島住職さま。
住職の立場から、comuoonを通して聴こえのバリアフリー化に貢献する姿をご紹介します。
・檀家さまが難聴になり、自分の無力さを痛感することが多くなった。
実際に体験した上で購入。
Q. comuoonの存在はどこで知りましたか?
テレビ番組「夢の扉+」を拝見したときです。中でも印象的だったのが、中石社長がcomuoonの開発に至る想いを語っているシーン。社長のご家族にも難聴の方がいて、それがcomuoonを開発するきっかけになったとおっしゃっていました。私の母も耳が遠かったので、とても共感できました。私の母は難聴になったことで、「相手に馬鹿にされているんじゃないか?」「相手に迷惑をかけているんじゃないか?」と疑心暗鬼になり、食事をするときも、テレビも観るときも、自室にこもるようになってしまいました。本来、心地良いはずの一家団らんの場が、難聴によって苦痛に変わってしまっていたんですね。だから「夢の扉+」を観たときは、comuoonの画期的な性能に大変驚きました。しかし、何よりも情熱溢れる社長の人間性に惚れ込みました。他人のためにあそこまで頑張れる人はなかなかいません。多くの人が諦めかけている「聴こえの問題」を改善しようと日々奮闘している姿に感動しました。
Q. comuoonを導入された経緯は?
いままで檀家さまが難聴になってしまったために、自分の無力さを痛感することが何度かありました。例えば、難聴の檀家さまがご自身の連れ添った伴侶やご先祖さまの法事に参加をされても、お経やお説法が聴こえないというケース。誰よりも聴いてほしい方に声が届かないというのは、住職として一番悔しいですね。でも「夢の扉+」を観て、comuoonならそういった問題も解決できると確信しました。後日、私は岡崎からユニバーサル・サウンドデザインさまの東京本社に直接伺いました。その際はタイミングが悪く、中石社長が出張をされていたのでお会いすることができなかったのですが、後日わざわざ岡崎まで社長自ら足を運んでくださいまして。そこでいろいろとお話をさせていただき、comuoonも体験した上で購入しました。
Q. comuoonをどのように使われていますか?
難聴の檀家さまとお話をしたり、お経やお説法をするときに使っています。人によって効果の違いがあるとは思いますが、間違いなくcomuoonのおかげで難聴の方との会話がスムーズになりました。いままで、私の声が聴こえていなかった方たちは、いつも目線が下を向きがちでした。しかし、comuoonを使うようになってからは目線が正面を向くようになり、表情も豊かになりました。中には、涙を流される方までいらっしゃり、聴こえる喜びを実感されているのが端から見てもよくわかりましたね。私自身も、自分の声が難聴者に届くようになって、本当に住職冥利に尽きます。お寺離れと言われて久しいこの頃ですが、だからこそ私たちが檀家さまに寄り添うことが大切だと改めて感じました。そのひとつの方法としてcomuoonがあり、そういった相手を思いやる姿勢がもっともっと日本全国に広まっていってほしいですね。
Q.お寺にcomuoonのような最新機器を導入することに抵抗はありましたか?
それは全くありませんでした。しかし、一般的なお寺はcomuoonのような最新機器を導入することには、難色を示されるケースも多いと思います。全国のお寺関係者の多くは、一般企業の営業の方がいらしても簡単にはお会いしません。ですから、例え本当に良いものがあったとしても、なかなか導入には至らないのです。お寺は歌舞伎や落語といった古典芸能よりもさらに古くから存在するので、昔からあるものを大切にするという考え方が特に根強く残っています。だから新しいものを受け入れることに抵抗感があるんですね。でも、人は高齢になれば耳が遠くなるのはあたり前なので、comuoonのような本当に良いものがあるならどんどん取り入れるべきです。古くから伝わる考え方はもちろん大切ですが、時代に即した柔軟な姿勢も同じくらい大事。comuoonはまだ黎明期ですから、今後はもっと導入しやすくなるよう、国から補助金が出るようになるといいですね。これからますます難聴者の人口は増えていきます。私は住職の立場から、comuoonを通して聴こえのバリアフリー化に貢献していきたいと強く思います。
※取材内容は2015年6月時点のものです。