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comuoon開発ストーリー -筐体・ジャック編-
comuoon開発ストーリー -筐体・ジャック編-
2012年の偶然の出会いを機に、
comuoonの開発に深く携わることとなった日本ディックスさま。
同社の山川社長に開発当時の様子を振り返っていただき、
その中での印象的なエピソードやcomuoonへの想いなど、様々なお話を伺いました。
偶然の、そして 運命の出会い。
2012年の11月、産業交流展というイベントに立ち寄ったときのこと。たまたま通りかかったのが、そこに出展されていたユニバーサル・サウンドデザイン(以降USD)社のブースでした。何台かのスピーカーが並んだ小さなブースだったのですが、私たちもオーディオ関係の部品を扱っていることもあり、ふと気になったのでしょう。いま思えば不思議なのですが、私は何かを感じ、自然とそこに立っていた人に話しかけていました。それが当時USDをお父様と設立したばかりの中石社長だったのです。そのとき、中石社長の口から、これから考えているいろいろな製品の構想をお聞きしました。それと同時に、製品を開発するために必要な部品が調達できていないこと、会社も設立したばかりで独自設計の部品をつくってもらえる状況にないということも伺いました。それで「どんなものが必要なんですか」とお聞きしたんです。返ってきたのは予想外の答えでした。中石社長は、ケーブルを使ってプラグとジャックで繋ぐのがあたり前のアンプとスピーカーを直接繋ぎたいとおっしゃったのです。市場を見てもそんな使い方をしている製品はどこにもありませんでした。私は驚いたのと同時に、面白いことを考える人だなぁとも感じていました。そして、次の瞬間には「それは当社の得意とするところです。ぜひご協力させてください」とお答えしていたのです。思い返せば、本当に偶然の出会いでした。しかし、これをきっかけに、USDと日本ディックスのcomuoon完成までの長い道のりがスタートしたというわけです。
エンジニア魂に火をつけられ。
偶然の出会いから1ヶ月、2012年の12月に中石社長と弊社のエンジニア陣との最初の技術打ち合わせが開かれました。そのときのエンジニアたちの反応はいまでも覚えています。私が中石社長のアイデアを最初に聞いたときと同じ、「すごい発想をする方だな」というものでした。日頃、コストや量のお話をされるお客様がほとんどの中、中石社長の話すアイデアは、彼らに新鮮に映ったのかもしれません。ある意味、エンジニア魂に火をつけられたとでも言いましょうか。早速、接続に対する技術的な検証が始まりました。中石社長のアイデアはただ独創的で面白いだけではありませんでした。理にかなっていたのです。音の質にこだわればこだわるほど、ケーブルの電線の材料、そこで起こる歪みや減衰、ロスに目がいきます。例えれば、水道の蛇口です。水を直接めいっぱい出せば勢いよく出ていきますよね。ところが、長いホースを繋げるとその勢いは落ちていきます。水でも音でも電気でも、ものの原理は全て一緒です。つまり、距離が長くなればなるほど、その間でいろいろなエネルギーロスが発生するというわけなんです。逆にいえば、直接繋げれば音の劣化が少ない、再現性の高い音が出せるということ。ですから、中石社長の発想は非常にユニークではあるものの、しっかりと的を得た考えだったのです。エンジニアたちが開発に前のめりになれたのも、そういう側面を感じ取っていたからでしょう。接続部分の開発は順調そのもの、彼らにとってアンプとスピーカーを直接繋ぐこと自体は難しいことではありませんでした。しかし、本当の難題はもっと他のところにあったのです。
困難を極めた開発現場。
comuoonの具体的なデザインが進んでくると、当初の接続部分だけでなく、様々な部品が必要になってきました。例えば、成型品と呼ばれる製品外観のプラスチック、電源関係、マイクスタンドやコントロールドックのスイッチ類など、独自製品のcomuoonではそれらの部品調達も同時に行わなければなりませんでした。技術的にはクリアしていた接続部分も、その後必要となってきた様々な部品も、一番の問題はそのロット数にありました。試作段階ということもあり、その数は50や100といったごく少数。通常、この数だと採算面から引き受けられる開発会社はそうはありません。幸い、私たちはそういった試作系の開発に長けた企業のネットワークを持っていましたので、そこも含めての全面的な開発サポートがこのときから始まりました。本格的に試作の開発が始まったのが2013年の春頃。いろいろな部品を試し、急ピッチで試作の制作作業に入っていきました。しかし、ここで大きな問題が発生します。当初、私たちは夏頃の最終試作完成を目処に性能・品質などを検討しながら量産に進む予定で開発を進めていたのですが、中石社長の思い描く完成はそれを遥かに凌ぐスピードだったのです。それは「夏が終わる頃には基本的に販売できるところまで持っていきたい」というものでした。通常、試作というものはいろいろな設備も含め、多額の資金をかけない状態で進めるもの。しかし、それをいきなり量産の形までとなると、正直かなり厳しいというのが本音でした。それと同時に、めざすゴールのレベル設定にも大きな差異があったのです。私たちがいつもテレビやオーディオの部品開発に関わっているとき、合格と見なすクオリティがあるのですが、中石社長の求めるクオリティはそれとは全く違う高レベルのものだったのです。日頃の業務で我々が問題ないと判断するレベルでも、中石社長に言わせれば「これではダメ」と。それはエンジニア陣と中石社長との戦いでした。私たちも現実的に考え、「無理はしますが、無茶はできません」という想いで幾度となく議論を重ねました。「そうはいっても」と「そこをなんとか」というせめぎ合いがしばらく続きました。我々もビジネスですから、どんどん膨らむ開発コストと高い要求を前に、「もうやめようか」と心が折れかけたこともありました。しかし、その度に中石社長の製品に対する熱い想いを語られるわけです。最終的にはそこでした。それに心動かされ、「何が何でも」というような想いで走り抜けた、そんな数ヶ月だったように思います。かなりイレギュラーな形ではありましたが、comuoonに求められるクオリティを全てクリアした状態で、2013年の終わりには無事完成させることができました。
comuoonの向こうに、使う人を感じながら。
完成後、2013年12月の販売開始以降も、より高い品質、より安定した部品の供給体制を整えるための努力は続きました。そして、試行錯誤の末に現在の量産体制を築くことに成功しました。いま振り返ると、とても厳しい道のりだったのですが、それを乗り越えられた原動力は、中石社長という存在と、実際にcomuoonを使う人たちの笑顔に他なりません。試験データを集めるために試作機を使ったテストの場に立ち会ったときのことでした。40歳前後の女性の方が、難聴で好きな音楽が聴けない、聴きたくても雑音に聞こえてしまう、とおっしゃっていたんです。その方が試作のcomuoonを介して音楽を聴いたときでした。すごく嬉しそうな顔で「聴こえる」とつぶやかれたんです。それを目の当たりにしたら、それまでの苦労なんて吹き飛んで、ただただ嬉しいとしか言いようがなかったですね。私たちの業務はBtoBが主で、最終的なお客さまと関わるというのは、ビジネスの環境としてはやはり少ないんです。ですから、comuoonのような製品を通して感じられる、使う方たちに喜んでいただけているという実感とやりがいはとてつもなく大きいものなんです。会社全体としても、そこに携わらせていただいているということで、自然とやる気も上がってきていますし、エンジニアもそれまで以上に自分たちの仕事に誇りを持って働いてくれているように感じます。
comuoonは、まだ完成の途中。
これから先も、comuoonはまだまだ進化していく製品だと思っています。まだスタートをきった段階、もっともっと多くの人に、より自然な形で使っていただけるよう、今後はいろいろなバリエーションを開拓していかなければならないと感じています。これについては、中石社長の頭の中に確かなロードマップが存在していますので、USDがつくっていく流れの中で、私たちは開発の一端を担う会社として、タイムリーにいいものを供給できるよう、務めていきたいと考えています。そして、もうひとつ。世の中には、comuoonをまだご存知ではない方、また知っていても試していない方も大勢いるかと思います。そういった方たちにぜひお伝えしたいのは、ぜひ一度試してみてくださいということです。多くの方にお使いいただく中で、いろいろな不具合や改善すべきポイントが出てくると思うのです。それをどんどんいただくことによって、comuoonはさらに進化していくことができるからです。その声の数が多いほど、製品の精度は高まっていきます。よりいいものをつくりたい、より効果を感じられるものを届けたい。そんな想いで、みなさんの声に耳を傾けながら、これからもcomuoonの開発に取り組んでいきます。
株式会社日本ディックス 代表取締役社長
山川 広治
Hiroji Yamakawa
大学を卒業後、商社に入社。1984年に電子部品を扱うエレクトロニクス企業に転職。
1997年に日本ディックスを創業、現在に至る。
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